1. HOME
  2. STAFF BLOG
  3. コラム
  4. 【あじくり相談室】特定技能の在留資格取得の手続きは、国ごとに異なります

STAFF BLOG

スタッフブログ

特定技能の在留資格取得の手続きは、国ごとに異なります(コラム扉絵)
コラム

【あじくり相談室】特定技能の在留資格取得の手続きは、国ごとに異なります

2021.12.10

こんにちは。
今度、会社でカンボジアから特定技能外国人を迎えることになりました。
以前、ベトナムの特定技能外国人の受入れを担当したことがあったので、
「楽勝楽勝、任せてください」と先輩に話したら……

そうでもなかった。

そのとおり!
特定技能外国人の出身国によって、受入れまでの手続きが微妙に違うんだそうですね。
そういうことはもっと先に言ってほしかった~

まぁ、これも勉強のうちだと思って。
まず、原則としてどんな国籍の外国人であっても、特定技能の在留資格を取得できます。
日本政府は特定技能を取得した外国人の受入れを推進するため、
主要な送出国との間で二国間の協力覚書(MOC:Memorandum of Cooperation)を締結しています。
人材の出身国と日本が協力覚書を締結していれば、その内容に沿って手続きを進めなければなりません。

協力覚書かぁ。なんかいきなり難しそう。

協力覚書のしくみがわかれば、どうってことないですよ。
二国間の協力覚書とは、日本が外国人労働者を送り出す国と締結している取決めのこと。
2021年11月時点で13か国と結んでいます。

特定技能に関する二国間の協力覚書の締結国 フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、スリランカ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン、タイ、インド

なぜ二国間なんですか?みんな共通にしちゃえば、手続きがラクなのに。

送出国の国民が海外で働く場合の規定は、国ごとに決まっています。
日本は日本で、外国人労働者を受け入れる場合の規定があります。
双方をすり合わせて整理し、手続きなどがスムーズに進むようにした取決めが協力覚書です。
そんな性格の内容なので、各国共通のルールを作るのは難しい。
それで、国ごとに二国間で取り決めます。

なんか、厳密そうですね。
以前の技能実習制度では、割と緩いところがあったようですが。

今の新法「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」ができる前の話ですね。
当時の技能実習制度は、規制があまり厳しくありませんでした。
そのため、悪質な仲介業者による搾取、過剰労働や賃金未払いなどの劣悪・不当な労働環境が問題になっていました。
特定技能制度の協力覚書は、このような問題をなくすため規制が強化されています。

悪質な業者を排除するには仕方ないですね。

本来の目的はそこではありません。
協力覚書の目的は、円滑かつ適正な送出し・受入れを通じて特定技能外国人を保護することです。
互いに異なる手続きを統一してスムーズに流れるようにするとともに、
人権侵害などの問題を防ぎます。

とはいっても、担当者から言えば国ごとに手続きが違っていてたいへんそう。

はじめに、「原則としてどんな国籍の外国人であっても、特定技能の在留資格を取得できます」と話しました。
協力覚書のない国でも受入れOKですが、手続きはもっと煩雑になるでしょうね。
それと、今のところ協力覚書締結国以外の送出国では、技能試験が行われていません。

それじゃぁ、協力覚書を結んでいる国から受け入れるのが現実的ってことなんだ。

そういうこと。
あと、労働を取り巻く状況は変化します。
そうした変化や問題点に対応していくため、両国間で定期または随時に協議が行われています。
協議に基づいて、適宜手続きなどが更新されます。

えっ、ちょっと待ってください。規定が変わることもあるんですか?

そう。
協力覚書には「協力覚書の枠組みは必要に応じて見直すこととする」旨の記載があります。
だから、その都度手続きは必ず確認する必要があります。
手続きの詳細は、
出入国在留管理庁のホームページ「各国における手続について」 を見てください。

そうかぁー、あとでチェックします。
ところで、先輩が「カンボジアの手続きも特徴的だから」と言ってましたけど。

基本的な手続きはだいたい同じですが、中には特徴的な手続きを定めている国があります。
カンボジアは、手続きが特徴的な国の一つです。
特徴的な部分に限っていうと、在留資格申請時に「登録証明書」の提出が必要とされています。
登録証明書は、申請人が認定送出機関を通じて登録証明書の発行をMoLVT(カンボジア王国労働職業訓練省)に対して申請することで交付されます。

この登録証明書は、日本に在留するカンボジア国籍の人を特定技能外国人として雇い入れる場合にも必要になります。
ただし、発行は必ずしもカンボジア認定送出機関を通じて行う必要はありません。
このようなことは、「各国における手続について」に詳しく書かれています。

そういえば、ベトナムの時は、「推薦者表交付申請」が必要でしたっけ。

ベトナムも、特徴的な手続きがある国の一つです。
「推薦者表交付申請」がそれですが、カンボジアにこの規定はありません。

そういうことなんだ(ふむふむ)。
今日のお話は知らなくても手続きできますけど、知っていると、
どこの送出国でも焦らずに対応できそうですね。
ありがとうございました。

STAFF BLOG