技能実習制度との比較

技能実習と特定技能の制度の比較

技能実習と特定技能の制度の比較(概要)です。
外国人材を雇用することにおいて、似ているようですが異なる点も多いです。
2つの制度を比較しながら見ていきます。

関係法令

技能実習(団体監理型) 特定技能(1号)
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習の保護に関する法律
出入国管理法及び難民認定法
出入国管理及び難民認定法
  • 技能実習では技能実習法(略称)、出入国管理及び難民認定法、特定技能では出入国管理及び難民認定法が適用されます。
  • 技能実習ならびに特定技能ともに、実習や就労する上では労働基準関係法令が日本人従業員と同等に適用されます。
  • 法律の上では技能実習制度の方が法令が細かく設定されており、厳しくなります。

在留資格

技能実習(団体監理型) 特定技能(1号)
在留資格「技能実習」1号・2号・3号 在留資格「特定技能」1号・2号
  • 在留資格は制度そのままに技能実習制度では「技能実習」、特定技能では「特定技能」の在留資格が付与されます。

外国人の技能水準

技能実習(団体監理型) 特定技能(1号)
なし 相当程度の知識又は経験が必要
  • 技能実習では技能実習生になろうとする外国人の技能水準は問われていません。
  • 特定技能では所属を希望する分野における相当程度の知識または経験が求められています。

入国時の試験

技能実習(団体監理型) 特定技能(1号)
なし 技能水準、日本語能力水準を試験等で確認
(技能実習2号を良好に修了した者は試験免除)
  • 技能実習では介護職種のみ入国時N4レベルの日本語能力要件になっています。
  • 特定技能では各分野が実施する技能水準と日本語能力水準(JLPT・N4合格またはその他水準テストでの基準以上の合格)が必要になります。
  • 技能実習2号を良好に修了(技能実習を2年10か月以上修了し、かつ①技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験(専門級)に合格していること、または②技能実習生に関する評価調書がある)した者は、技能実習と特定技能分野で同一職種においては試験が免除で特定技能に移行することができます。

送り出し機関

技能実習(団体監理型) 特定技能(1号)
外国政府の推薦又は認定を受けた機関 国によって異なる
  • 技能実習では、必ず母国の外国政府認定の送り出し機関を通さなければなりません。
  • 特定技能では、ベトナムでは送り出し機関を通すように外国政府から指示が出ている国もあり、外国人の母国によって対応が変わります。

監理団体

技能実習(団体監理型) 特定技能(1号)
あり(非営利の事業協同組合等が実習実施者への監査その他の監理事業を行う、主務大臣による許可制) なし
  • 技能実習では、団体監理型では必ず監理団体を通して技能実習を実施する必要があります。監理団体は、実習実施者が法令に基づいて技能実習を行っているか、労働基準関係法令が守られているかを監査・指導します。また、在留カードの更新、期間更新、技能検定試験手続きなど監理団体が実習実施者ならびに技能実習生をフォローします。
  • 特定技能では監理団体のように在留に関しての一切の監査・指導・フォローする団体などはありません。

支援機関

技能実習(団体監理型) 特定技能(1号)
なし あり(個人又は団体が受入れ機関から委託を受けて特定着の外国人に住居の確保その他の支援を行う。出入国管理庁による登録制)
  • 技能実習では監理団体がフォローしますので支援機関は存在しません。
  • 特定技能では特定技能外国人をフォローする支援機関が存在します。受入企業が支援要件を満たせない場合は特定技能外国人を支援する支援機関に支援を委託します。
  • 監理団体、支援機関が技能実習と特定技能での混乱する相違点になると思います。
  • この2つの団体、機関の違いは、技能実習の監理団体は実習実施者と技能実習生の両方をフォローします。関係省庁にも監理団体が報告をします。
  • 特定技能での支援機関は特定技能外国人において決まった内容の支援(フォロー)をします。受入企業をフォローする要件はありません。
  • 受入企業は、関係省庁への定期的な報告、在留カードの管理などは自社でやることになります。
  • 支援を委託された支援機関も支援機関として関係省庁への報告義務が課せられています。

外国人と受入れ機関のマッチング

技能実習(団体監理型) 特定技能(1号)
通常監理団体と送り出し機関を通して行われる 受入れ機関が直接海外で採用活動を行い、又は国内外のあっせん機関を通じて採用することが可能
  • 技能実習では受入企業は監理団体に対し求人をします。監理団体は提携の送り出し機関に求人をし、人材を募集してもらいます。
  • 特定技能では、国内では自社で募集または職業紹介事業者に依頼をして求職者を集めてもらいます。
  • 海外の人材については直接海外の送り出し機関などを通じて採用活動をします。

受入れ機関の人数枠

技能実習(団体監理型) 特定技能(1号)
常勤職員数の総数に応じた人数枠あり 人数枠なし(介護、建設分野を除く)
  • 技能実習では常勤職員数に応じて受入人数が決まります。建設職種の場合はより常勤職員数を超えての受け入れは出来なくなります。
  • 特定技能外国人の場合は受け入れ人数に制限はありません。ただし、介護・建設分野では受入人数に制限があります。

活動内容

技能実習(団体監理型) 特定技能(1号)
技能実習計画に基づいて、講習を受け、及び技能等に係る業務に従事する活動(1号)
技能実習計画に基づいて技能等を要する業務に従事する活動(2号・3号)(非専門的・技術的分野)
相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動(専門的・技術的分野)
  • 技能実習の場合は、事前に提出する実習計画に基づいて実習する必要があります。
  • 特定技能では相当程度の経験を必要とする業務に従事させます。

転籍・転職

技能実習(団体監理型) 特定技能(1号)
原則不可
ただし、実習実施者の倒産等やむを得ない場合や、2号から3号への移行時は転籍可能
同一の業務区分内又は試験によりその技能水準の共通性が認識されている業務区分間においては転職可能
  • 技能実習では原則転職はできません。受入企業の倒産等、または2号から3号に移行する場合、同一職種同一作業であれば転籍することができます。
  • 特定技能外国人の場合は、日本人同様に自由に転職することができます。但し分野を超えての転職はできません。
  • 簡単に転職されないように待遇面やコミュニケーションを日本人以上にしっかりとやる必要があると考えます。

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